つい先日ですが、広島県立美術館で開催中の「ブータン展」を見に行ってきました。
「しあわせの国」として有名ですね。国土も小さく(九州くらい)、経済的にも物質的にも、便利で豊かな生活をしているとは言えないかもしれませんが、2005年の国税調査では国民の97%が精神的しあわせを実感して生きていると答えたといいます。
入り口の前にこんな大きな筒が展示してありました。
これは「マニ車」と呼ばれるもの。この大きな筒の中にはお経(経典)が入っているそうです。
ブータンはチベット仏教の国で、お寺や町のいたるところに大小様々なマニ車が置いてあって、これを時計回りに一回まわすと、中に入っているお経をたくさん読んだのと同じ功徳が得られるとのことです。まわしてもいいらしいので、私も一回まわしました🌀
ちなみにマニ車のマニとは、サンスクリット語の摩尼(mani)のことなんでしょうかね?摩尼とは仏教で摩尼宝珠(まにほうしゅ)とも言い、様々なすばらしい功徳を与えてくれる魔法の珠のことを言います。その摩尼宝珠のはたらきに喩えてマニ車と呼んでるのでしょうか?
いろんなお面が展示してありました。これらは仏教の教えを視覚を通して伝えるためのもののようです。
以前聞いた話ですが、ブータンの若いカップルがお茶をしていて、彼女のコップにハエが入ったそうです。彼は「大丈夫か?」と言いました。ところが彼が「大丈夫か」と心配したのは、お茶が台無しになった彼女ではなく、お茶の中で溺れているハエの方だったそうです。日本のカップルで同じことをしたら、彼女は怒って帰っちゃいそうですが、ブータンの彼女は一緒にハエの心配をしたそうです。人もハエもみな同じ尊いいのちと見る仏教の心が深く浸透しているエピソードだなと思いました。
衣装や装飾品なども展示してありました。
他にも仏像や曼荼羅(まんだら)、平成23年に来日された現国王と王妃の衣装なども展示されていましたが、こちらは写真撮影NGでした。
こんな言葉にもであいました。
「大家族だからしあわせと思う人もいれば、大家族であってもそう思わない人もいる。同様に小家族でしあわせを感じる人もいれば、そうでない人もいる。結局大事なのは、持っているものでしあわせを感じること。今の環境に満足するかどうかで、しあわせは決まってきます」(ブータンにある高校のツェリン・ドルジ校長の言葉)
しあわせとはどこかにあるものを探すことではなく、今ここにあることに気づくことっていうことかな。
少しだけブータンの人たちの「しあわせに生きるためのヒント」に触れたようなひとときでした。