今日はお寺の本堂でご法事があり、お父さんとお母さんと4才の女の子がお参りしてくれました。
この女の子、生まれたときから知ってますが、とっても恥ずかしがり屋さんで、いつもお父さんにしがみついてお参りしてくれます。(お父さんが大好きです)
お帰りになられるとき、女の子に、「お寺に来てくれてありがとうね」と言ってお菓子をあげたところ、女の子は恥ずかしそうに黙って受けとってくれました。
そのときお母さんが女の子に「何て言うの?」と問いました。お母さんとすれば、「ありがとう」と言って受けとってほしかったのでしょう。ところが女の子は恥ずかしくって「ありがとう」の言葉が出てきません。
私は「大丈夫ですよ」と言いましたが、お母さんは女の子からお菓子を一度取り上げ、女の子の目線に立って、「何て言うのかな?ちゃんと言えないともらえないよ」と言いました。
するとその子は、私を見ながらホントにか細い声で、「ありがとうございます」と言ってくれました。とってもかわいいありがとうでした。
女の子はお母さんから嬉しそうにお菓子を受け取り、「バイバイ」と言って帰っていかれました。
お母さんは娘に「ありがとう」と言ってほしかったのではないのです。「ありがとう」と言える人に育ってほしいのです。
私は恥ずかしがる女の子にムリにお礼を言ってもらわなくても大丈夫ですよと言いましたが、それは結局のところは他人の子で自分には責任がないからであって、もし自分の娘だったらやはりこのお母さんと同じような言動をしたでしょう。
ありがとうと言える人になってほしい。
親だからこその責任、親だからこその願いであります。
まことの親である阿弥陀さまもまた、私たちに、「ありがとうと言える人生を歩んでほしい」と願ってくださっています。
なもあみだぶつ。